さよならピアノソナタ

 さよならピアノソナタ3

 「さよならピアノソナタ
 著/杉井光 イラスト/植田 亮 電撃文庫/アスキーメディアワークス

 杉井光の「さよならピアノソナタ」 3、4

 同作者の、「さくらファミリア!」も平行して読んでいましたが(笑)
 似た構成のスタンスでのヒロイン複数って設定でもこちらは真面目色の強い青春物。
  
 話は主人公の「桧川直巳(ナオ)」視点で進む学園物で、
 ピアニスト「蛯沢真冬」に幼馴染の体育会ドラマー「相原千晶
 自称革命家の「神楽坂響子」先輩と現実ならば羨ましいほどの
 民俗音楽研究部のバンドメンバー
 2巻に比べヒロインたちの主張がはっきりしてきた後半部
 この手の小説では主人公の性格がお決まりとも言える
 「優柔不断」はお約束ですが、
 新たなキャラクター ヴァイオリニスト「ユーリ」の登場や
 秋の学校イベントを網羅して一気に加速する恋のやり取り

 3巻は夏から秋の合唱コンクールに体育祭、文化祭
 4巻は冬から春の卒業式まで
 全巻を通しワンシーズンを描いた作品になっています
 後半部に来ると 「まふまふ」事お姫様「真冬」の
 感情を表すセリフも多くなりますしストレートな「千晶」の言動や
 「響子」先輩の猛攻  
 また、オブザーバーである同級生達の羨ましくも楽しい行動は
 書かれている曲名や用語が多少分からずとも楽しく読める仕上がりになっています。
 わがまま姫なんぞと書かれている「真冬」も
 本当は話す事が苦手な不器用タイプで、欲しかった「ナオ」からの言葉も
 自身の気持ちも飲み込んで渡米の下りは、まさかこのまま?って
 心配しちゃいましたが(笑)、
 そこは流石 杉井光、最後の場面をあの場所で締めくくる
 これ以上ない綺麗なエンディグ… お見事です。
 

 さよならピアノソナタ 4